改修設計業務では、調査診断の結果に基づき、基本設計で各々の建物に最適な改修仕様を計画します。それと同時に設計事務所による積算数量で設計予算書を作成、管理組合の実行予算との調整を図りながら実施設計を進めます。実施設計の図面等は、見積を依頼するための資料となります。
1. 基本設計
①全体工程・工事項目・範囲・仕様の策定
コンサルタント業務委託契約日から工事竣工引渡し日までの全体工程を作成する。
建物調査診断の結果を基に、大規模修繕工事の工事項目と範囲、基本的な修繕仕様について検討する。仕様については、設計予算との調整を行い、優先順位を付け最終決定する。
②改良・改善・バリューアップの検討
アンケートや組合からの要望に応じ、既存部分の改良・改善工事やバリューアップ工事を提案し、検討する。これについても、設計予算との調整を行い、優先順位を付け最終決定する。
2. 設計予算書作成
①数量積算
大規模修繕工事の工事項目ごとに、建物各部位の工事数量を算出し、数量内訳書を作成する。この段階では、実施するか否かは問わず、必要な数量をすべて算出して資料とする。
②設計予算書作成
数量積算で作成した数量内訳書に、工事単価を入れ設計予算書を作成する。ここで使用する工事単価は、設計単価ではなく、毎年修正した実勢単価とする。
③予算検討書作成・予算調整
設計予算書で出された金額に基づいて、予算検討書を作成し、管理組合との予算調整を行う。設計予算は、施工業者へ依頼する目安として考え、可能となり得る工事範囲を想定する。
3. 実施設計
①改修仕様書作成
共通仕様書、特記仕様書、改修仕上表、平面図・立面図等へ施工範囲図示等をA3版で作成する。
②その他必要図面作成
改良・改善工事、バリューアップ等、見積依頼時に必要な説明用図面をA3版で作成する。
③見積要項書等作成
現場説明会で施工業者へ見積を依頼するための要領書等の資料を作成する。
4. 設計説明会の開催
大規模修繕工事の設計仕様を住民へ知らせると共に、管理組合がコンサルタントと進めている打合せの内容や工事時期などを説明する。ここで十分説明し質疑に答えることにより、臨時総会での承認を得やすくする。
①設計説明ダイジェスト版作成
工事全体の設計仕様について、要点をコンパクトにまとめたダイジェスト版を全戸分作成する。
②説明会用説明資料(PP)作成他
説明会のための資料をパワーポイント(PP)ファイルで作成する。
③設計説明会開催
プロジェクターでパワーポイントファイルを使用して、一般居住者対象にわかりやすく説明する。