共用部分について

共同住宅に住んでいると、いろいろな約束事があります。売買契約時に提示された重要事項説明にある内容も含めると、そのすべてを理解することは至難の業としか思えません。日常生活で生じた様々な問題を解決する際に、その判断基準として読み返す以外には中々ひも解く資料ではありません。

10年~15年のスパンで行うことが予定されている大規模修繕工事の際、その改修部分について、『一体どこまでが共用部分としての対象で、どの部分からが専用使用部分なのか?』といった議論がされます。様々な管理組合様とお話していく中で、その分類も独自で展開している組合様もありますが、基本的には、マンション標準管理規約(国土交通省)を運用している管理組合様が大半だと思います。

その対象となる専用使用権にて特定の区分所有者が使用している共用部分(バルコニー等)は、その個人個人の生活スタイル及び日常の清掃管理なので、その劣化具合はかなり異なってきます。毎日きれいに掃き掃除をした場合と私物を置き放しにしている状態では改修に係る費用も異なってきます。時には、部分修繕で延命・継続できる仕上げ状態であるのに、材料の更新をしなくてはならない場合も出てきます。区分所有者から集めた全体修繕用の費用をそういった改修の為に支出しなくてはならなくなるのです。

建築の仕上げ材料は、経年に於いて劣化していきます。(建築材料以外も同様ですが・・)しかしながら、少しでも長く大事に使うことでその寿命は延ばすことが出来ます。(人間と同じです・・)個人資産であれば、太く短くといった考え方もあると思いますが、共用資産としての共同住宅であるので、管理組合の中でその使い方について話し合いを行っていけば、一人ひとりの考え方も一つの方向に向かっていけるのでないかと思います。

大規模修繕に係る費用はとても大きな金額となります。その大事な費用を如何に有効に使えるかは、管理組合員一人ひとりの意識の問題だと思います。建築物は無機質なものです。しかしながら、自分の子供を育てる様に大事に育てていければ、次の世代又その次の世代まで残せると思います。(吉祥御庭番衆)