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最近、設計監理方式による大規模修繕工事が各管理組合でも検討されてきています。
「設計監理方式」とは、建築設計事務所が管理組合に入り、
(建物診断) → 実施設計 → 施工業者の選定 → 工事監理
と一連のフローで大規模修繕にかかわる業務を管理組合との共同作業で行っていく方式で、管理組合のパートナーは、建築設計事務所ということになります。
「設計監理方式」を採用した場合、、建築設計事務所に支払う工事費以外の費用が発生します。建物規模や契約内容にもよりますが、概ね工事費の3〜8%内外です。工事の品質は問わずに、とにかく安く発注したいのであれば、設計監理方式は必要ありません。高品質を求めればこそ採用するべき方式です。高品質な工事を大前提に、競争原理を利用して、少しでも安く発注できれば、品質と経済性が両立できます。
「設計監理方式」を採用するメリット・デメリットには、次のものが挙げられます。
メリット
- 建築設計事務所が、専門家として中立な立場を保ち、リーダーシップをとって進行することで大規模修繕工事を円滑に進めることができる。
- 「お任せ型」ではなく「参加型」であるため、マンション管理組合の工事に対する意識が高まる。
- 予算に合わせたメニューが策定されるので、予算額を事前に把握することができる。
- 競争原理の基、複数業者に見積依頼をするので、価格を下げることができる。
- 適切な施工会社を選定することができる。(見積の比較検討及び精査を十分にした上でヒアリングを行ってくれるので、安いだけのダンピング業者は排除することができる。)
- 工事監理をしてくれるので、品質を確保することができる。(施工確認、検査、協議、報告)
* 手抜き工事の心配がなくなる。
デメリット
- 工事費以外に、コストがかかる。(工事費の3〜8%内外)
- 建築設計事務所との共同作業となるので、労力がかかる。
それに対して「責任施工方式」は、管理会社または施工会社(主にゼネコン)をパートナーとして、大規模修繕を実施していく方式です。
管理会社がパートナーの場合には、ほとんど管理組合の負担がなく、どちらかというと”管理会社にお任せ型”になります。管理組合としては、労力がかからず楽な手法ということになります。
施工会社がパートナーの場合には、工事施工業者を選定するのは管理組合となりますので、管理組合の負担を要することになります。施工会社の提案による見積りとなることが多く、その比較検討を内部でどの程度できるかがポイントとなります。
「責任施工方式」の場合、仕様や数量は管理会社が作成しますので、「真の適正価格」が組合にわからないため、工事金額としてはほとんどが設計監理方式よりも割高になることが多いようです。
また、仕様も定めていないため、安く見積もった仕様を工事の段階で変更して、追加請求をしたり、補修の精算数量においても追加請求されたりと、結局は高い工事金額になってしまうことも多々あるようです。
しかも、「責任施工方式」の場合は、工事監理はありませんので、監理だけ設計事務所に委託するか、組合で自ら検査等を実施しなければなりません。 施工業者が信頼できる会社でないと、品質の確保という点で不安が残ります。
いずれのパートナーを採用する場合でも、「責任施工方式」の方が「設計監理方式」に比べて工事に係る費用が安くなるとは限らず、何よりも質の高い工事を求めるなら「設計監理方式」ということになります。 世の流れとしては、大規模修繕を他人任せでなく、自分たちも参加して実施することが手抜き工事を防止できるということで、設計事務所をパートナーとする「設計監理方式」を選択するケースが多くなってきています。
特に2回目以降は、グレードアップ等も取り入れた改修の要素が強くなりますので、やはり専門家である設計事務所をパートナーに選ぶというケースが増えてきています。 |